インタビュー:ボディビルディング西川 正洋 様

ボディビルと病気は似ています。怠ければ怠けた身体になるし、 やればやるだけ応えてくれる。

主な出場大会
2018 MR東京マスターズ40      優勝
2013 MR関東クラス別75kg超級 優勝
MR東京クラス別75kg超級 優勝

どのようなきっかけでボディビルを始められたのでしょうか。

ボディビルの大会に出始めたのは20代前半の頃です。私は1歳半から喘息が酷くて、幼少期は入退院を繰り返して、長く生きられないというくらい重症の部類でした。もともとの身体が一般の方以下の体つきで、運動もできませんし、それこそ階段を上るだけで発作が起きて入院するほどだったのです。それで、なるべく薬を使わないようにするため、身体を鍛えて体質改善をするという施設に入りました。喘息だけでなくいろいろな病気の方が全国から集まってきている施設で、タイムスケジュールや規律が非常に厳しいところでした。辛くて逃げ出す子もいましたが、先生が子どもに混じって率先してやる人で、私らも休みませんでした。そこで、身体を鍛えれば喘息でも何でも良くなるのだと、身体を鍛えることは自分が生きるためにやらなくてはいけないことなのだという気持ちが培われました。
施設を退所後、中学校でも入退院を繰り返していたため、高校に入学するのが1年遅れました。その間、あるきっかけでジムに通うようになりました。20年以上も前の話ですが、そこで初めてボディビルダーを見て、大きな衝撃を受けたのを覚えています。「私もこういうふうになれるのかな」と思いました。
喘息患者は有酸素運動をやることが好ましいのですが、身体を鍛えたいという気持ちが人一番強かったのかもしれません。そこから身体を作ることに執着するようになって、ボディビルに傾倒していきました。
3カ月くらいトレーニングすると、まだヒョロヒョロながらも身体が変わったのが目に見えてわかりました。そのとき、「もしかしたら」という思いが生まれたのです。さらに、ジムでボディビルの基礎を教えてくれる方と巡り会いました。その方は身体もすごくて、憧れましたね。その方に教わりながらだんだん身体を作っていきました。ただ、当時は自分がまさかボディビルで大会に出るとは思いもしませんでした。
本格的にボディビルのコンテストに出たのが23歳のときです。その頃から仕事をしながら大会に出るようになりました。初めての大会は東京オープンという大会で、2位になりました。翌年には東京クラス別に出場し、3位になりました。その頃はまだ若かったですし、今とは真剣さが違って、コンテストに出てタイトルを取るという気持ちはまだ薄かったですね。それから4年に1回くらいのペースで大会に出場し、30歳後半くらいから毎年出るようになりました。

ご病気がある中ボディビルを続けてこられたのですね。始めてから変わったことはありますか。

ボディビルを続けて病気はだんだん良くなりました。喘息自体が治ったわけではなく、発作が起きることもあります。しかし、20代の頃には昔のように入院することがなくなり、軽い薬で止まるようになりました。朝昼晩薬を飲んでいても発作が起きる状態だったのも、今では飲まなくても大丈夫です。性格も変わりましたし、本当に人生が変わりました。
私自身は大した人間ではないのですが、周りの人、環境に恵まれています。最初にジムに行ったきっかけも、父親の仕事の得意先の方が、中学を出て高校に入るまで1年間あるのだったら、息子さん、スポーツクラブでも行ったらと、チケットを渡してくれたのです。それで行ってみると、そのスポーツクラブはスタッフにも会員にもボディビルダーが多く、重い重量まで揃えているようなところでした。私は年が一番下だったので、とてもかわいがっていただき、ボディビルの基礎を教えてもらい、そこの人に憧れて、同じ道をいきたいと思って、トレーナー養成の専門学校に行かせていただきました。そこでも自分の仲間ができて、今はトレーナーの仕事をするまでになっています。自分に何かあるときは、いつも良い方が自分についてくれると実感しています。

普段の食事で気にされていることはありますか。粉飴はいつ頃お知りになりましたか。

たんぱく質と炭水化物をなるべく取るようにしています。たんぱく質の量に気をつけ、炭水化物もトレーニング直後に意識して取っています。脂についてはもともとそんなに取らないほうで、糖分・たんぱく質・脂肪のバランスが大事ですね。
粉飴は大会でいただいたりしていたので、知っていました。自分にとってトレーニング直後に固形物を食べるのは、けっこう苦しいことでした。もともと食が細くてそんなに食べられません。たんぱく質だけを取っても吸収がよくありませんが、粉飴を入れて混ぜると素早く吸収されます。トレーニングの直後は一番ほしいところで、すぐに取ることができれば回復に役立ちます。それで、数年前からトレーニング直後に粉飴を使っています。
使い方は、プロテインとアミノ酸にプラスすることが多いですね。プラス粉飴で吸収を早くさせることで、回復につながったり、パフォーマンスアップにつながります。この粉飴の吸収の良さが一番気に入っています。その後ごはんを食べるにしても、どうしても時間が空いてしまいますから。量は40グラム程度で、効果が出てきたら10グラムずつ増やすような感じです。粉飴は普通に溶けるので使いやすいですね。
最近は、トレーニングの質を高めるため、トレーニングの合間にもエネルギードリンク等に粉飴をプラスしています。トレーニング中やはりバテます。今、プレワークアウトドリンクがいろいろ出ていますし、お金をかければそれだけ効果もあるでしょう。しかし、いろいろなものを試しましたが、体感はあまりありませんでした。絞りに絞ったところ、プロテインプラスグリコーゲンというのが一番自分に合っていました。それからは、シンプルにプロテインとマルトデキストリンだけです。粉飴には「疲れにくくなる」という実感があります。あと1セットというとき、前だったらできなかったのができるようになるのです。だから続けています。いろいろなサプリメントが出ている中で、何かしらそういった気づきや、自分に合っているという実感がないと続けられないですよね。

今、ボディビルを始める方は増えていますか。

増えていますね。私が仕事で行くのは公共の体育館です。今日も上野の区民館でやってきましたが、高齢者やトレーニングをこれからやってみようという方が多いですね。普段動いていないのだけどジムに行くのはまだ敷居が高い、という方がほとんどです。そうした高齢者の方にこそトレーニングをしてもらいたいですね。普段から身体を動かしてないと血流の流れが悪く筋肉もどんどん硬くなってしまいます。ですから、筋肉を動かすことが大事です。重量云々というよりも、軽い重量でなるべくゆっくり動かします。高齢者の方にはスロートレーニングが一番合っていると思います。

ボディビルを続けていて嬉しかったことは何ですか。

両親が喜んでくれることが一番大きいです。2013年、初めてミスター東京クラス別でタイトルを取り、その後関東のクラス別でも優勝することができました。そのとき、母親に金メダルを掛けてあげることができたのです。喜んでくれる姿を見て、本当に嬉しかったですね。まさか自分が身体のことで、普通の一般の方より優位に立てるとは想像もつきませんでしたから。身体が弱く、もうだめなのではないかという経験も何度もしましたし、両親には本当に迷惑をかけました。
子どものころ、発作が起きるのは夜中です。当時は今のようにコンパクトで効き目が強く、副作用も少ない薬など開発されておらず、救急病院に行かないとなりませんでした。両親が仕事から帰ってきて、夜中に発作が起きて病院に連れて行く。病院からすぐに帰れるわけもなく、結局入院になることも多かったですね。そうするとやはり母親はついていないといけない。父親は帰って仕事に行かないといけない。私には姉がいるのですが、姉にもすごく寂しい思いをさせてしまいました。小さいときは、家族には本当に迷惑ばかりかけたと思います。大会に出ることにこだわるのは、そういうこともあるのかもしれません。
大会のレベルが上がるとどうしても勝てなくなってきます。それでもやっぱり、母親や父親が元気なうちはステージに立っているところを見てもらいたいですし、良い成績を収めることができればまた首に掛けてあげたいと思っています。2018年にはマスターズ東京の40に初めて出て優勝できたので、そのときにも掛けてあげることができました。
実は、その大会の前に、ネットで、私が入っていた施設の先生が独立して開業しているという記事を見たんです。ちょうど大会前だったので、コンテストに出た後に先生に挨拶しに行こうと思いました。先生のおかげで変わることができた、今の私の姿を見せたかったのです。私は、「鍛えたら良くなるよ」という言葉をずっと実践してきて、こういうふうに目覚めて、こういうふうになったという姿を見せたかったし、お礼が言いたかった。それで、大会で優勝することができたので、良いおみやげができたと思って行きました。小さいときにはすごく怖かった先生はとても優しく、私のことを覚えてくれていて、とても喜んでくれました。あの身体からこんなふうにタイトルを取れるようになるなんて、誰も想像していなかったと思います。それは、小さい頃に先生が鍛錬を教えてくれて、一緒になって喘息と闘ってくれたおかげです。やはり私は周りの人に恵まれているのです。

ご病気を克服してボディビルを続けている西川さんは、同じご病気の方々の希望だと思います。

そうなれたらいいなと思います。喘息など、何か病気を持っている人は自信がありません。だからこそ何か熱中するものを、例えばそれが身体を鍛えることであれば一番ですが、それを諦めないでほしいのです。私は喘息だから運動は出来ない、やってはいけない、ではなく、やっていいし、病気に負けないでほしいのです。本当に自分のやりたい事が、例えば運動、トレーニングならば病気は必ず良くなると思います。逆に、気持ちで負けてしまうと治せなくなってしまいます。しかし、嘘をついてやっていてもだめです。身体は正直ですから。自分では正しく出来ていると思ってもなかなか筋肉が付かずにどうして?と思う人も多いかもしれません。それは、何かが間違っているだけで、誰のせいでもありません。自分の身体のことは自分が全責任を負うわけです。怠ければ怠けた身体になるし、やればやるだけ応えてくれます。喘息でも同じです。極論ですが、治さなければ死んでしまうし、自ら治そうと頑張らないと治りません。もちろん喘息の重症度にもよりますが。薬やいろいろな方法はありますが、他の人が治してくれるわけではなくて、けっきょくは自分なのです。
そういったことを施設に先生から教えてもらいました。施設では薬を使わず運動療法でした。つまり鍛錬です。その鍛錬がボディビルと似ていたのかもしれません。自分に嘘をつけない。嘘をついたら負けてしまいます。何か共通するものがあるのか、私の周りのボディビルダーの方も昔喘息だったという話をよく聞きます。ボディビルをやる方はおそらく何かのコンプレックスがあるのだと思います。治すために頑張ることを積み重ねると、そういうことが好きになっていくのかもしれないですね。

本日は貴重なお話をありがとうございました。今後のご活躍をお祈りいたします。

インタビュー:女子フィジーク、ボディフィットネス沼田 初恵 様

ボディビルを始めて、体調も人生も変わりました。 これからもできる限り、続けたいと思っています。

私にとって、粉飴は筋肉の「エサ」です。 使い始めてからお腹が空かなくなり、トレーニングに集中できるようになりました。

主な出場大会
2019 東日本クラス別ボディビル選手権大会女子フィジークオーバーオール 優勝
ボディフィットネス関東158cmクラス 優勝
オールジャパンボディフィットネス選手権大会55歳以上 2位
2018 JBBF日本クラス別女子フィジーク選手権 6位
日本女子チャレンジカップ女子フィジーク 優勝
2017 関東クラス別フィジーク選手権 優勝
2016 神奈川選手権 優勝

どのようなきっかけでボディビルを始めたのでしょうか。何かスポーツをされていたのですか。

もともとはママさんバレーをやっていました。40代で靱帯再腱手術をしていたので50過ぎに膝の緩みが気になり、筋トレが必要と思い、ジムに入りました。最初に入ったジムがたまたまボディビルの登録をするジムだったのですが、日焼けするのが嫌でしたし、その頃はボディビルにはまったく興味はありませんでした。また、そのジムはウィークデーの営業が夜10時までで日曜が休みだったため、残業が多い私には通いづらく、月に1度くらいしか行くことができませんでした。それで、トレーニングができるジムを改めて探し、厚木駅前の24時間営業のジムに通うことにしました。
あるとき、バレーボールのトレーニング中に手を骨折してしまい、バレーボールができなくなってしまったのです。仕方なく指を使わないようなトレーニングをしていたら、どんどん筋肉がついてきました。当時は職場環境の変化もありストレスが貯まっていて、ジムに行くことがストレス発散で、楽しかったのもあり毎日通っていましたね。そうこうしているうち、『ウーマンズシェイプ&スポーツ』という女性向けの雑誌の読者モデルの募集があって、ジムのトレーナーやジム仲間から勧められて2度ほど出たりもしました。ジムに入った頃には30%ほどあった体脂肪が、その頃には27%程度の普通の体脂肪になっていました。

すぐに大会に出られたのですか。

2015年、あることがきっかけで、やったことがないことをやってみようと思い、神奈川県ボディビル選手権大会に出場しようと考えたのです。通っていたジムには神奈川大会に出る女子の会員さんはおらず、筋トレをしている人自体あまりいなかったのですが、大会に出てくれそうな人に声を掛けたら5人集まりました。参加者が最初にポージングを教えて頂いたのは11月です。そこから2016年7月の大会まで、本格的なトレーニングをしました。会社帰りのトレーニングではなかなか時間が取れず、短いときには30分で足だけしかできないこともありましたが、その初めて出場した神奈川大会で優勝してしまったのです。今はすごく人気ですが、当時はそれほど女子の人数もいなかったのも優勝できた理由の一つです。ここ2〜3年はメディアにも取り上げられるようになって、大会も増えましたね。

ボディビルを始めて変わったことはありますか。

ボディビルを始めて体質が変わりました。始める前は冷え性で会社にストーブを置いていたのが、今は冬でも半袖で、会社には扇風機が置いてあります。花粉症もひどかったのですが、ほとんど症状が出なくなりました。風邪もひかなくなりましたね。食事をすごく気にするようになったので、それも大きいのだと思います。口から入れるものはすべて自分の身体の元になるという考え方で、変なものは入れたくありません。会社の水は水道水なので水も持ち歩いています。ボディビルをやり始めのときには、トレーナーにどういう食事をしているか聞かれて、写真を見せたところ、「なんだこれは」と言われてしまったほどでした。子どもがいるので揚げ物も普通に食べていて、今では考えられませんが、鶏のもも肉5枚くらい揚げたりもしていました。ボディビルを始めてから食べ物には気をつけています。
ママさんバレーには席を置いていますが、なかなか参加出来ず、先日1年ぶりに練習に参加しましたが、普通にできました(笑)。   筋トレをしていると怪我をする気もしないです。

栄養の重要さにお気づきになったわけですね。普段の食事はどのようにしていますか。

朝はプロテインと果物を食べます。腸活を気にしているので、ヨーグルトや食物繊維のサプリも取っています。トレーナーには朝にご飯を食べるように言われるのですが、ご飯だと洗い物に時間が取られてしまい、時間がありません。それに、私は果物が好きなのですが、糖質を多く含んでいるので、朝に食べています。昼は毎日お弁当を作っています。主食は白米に雑穀を混ぜたものか玄米で、おかずはトリハムか、豚、牛の赤身肉、野菜です。
夜は、トレーナーにはやはりご飯を食べるように言われているのですが、控えめにしています。ただ、食事の量は大皿いっぱいです。肉か魚と野菜、あとは卵も好きです。ゆで卵2個と魚を食べたりするので、量はかなりあると思います。減量中は豆腐も食べます。一食分の湯葉が入った豆腐が好きで、それをデザートに食べたりします。納豆も食べますし、けっこう食べていますね。
気をつけているのは、なるべく加工品を取らないことです。以前は市販のウインナーが大好きだったのですが、ほとんど食べなくなりました。よくサラダチキンが良いと言われますが、あれも加工品なので私はあまり勧めません。自分で作るもの以外は加工品ですから。私はトリハムを自作しています。
セミナーで栄養バランスについても習いました。炭水化物が60%、タンパク質20%、脂質20%と習いましたが、ボディビルダーなら炭水化物60%弱ですかね。でも、トレーニング中に粉飴を取っているので、1日の糖質は足りていると思います。オフのときはお酒も飲みます。シーズン中は土日だけですが、本当はそれも良くないみたいで、せいぜい週に1回くらいにするよう言われています(笑)。

粉飴はどのようにお使いいただいていますか。

ボディビルダーにはカロリーを取りたくないため粉飴を使わないという人もいます。私も最初は全然取っていませんでした。「甘くないのに糖質があったら太る!」と思っていたんです。ただ、周りには粉飴を取っている人もいて、試しに使ってみたら、トレーニング中にお腹が空かなくなりました。「これはいいな」と実感しましたね。トレーニング中にお腹が空くと、どうしても集中が切れてしまい、帰りたくなってしまいます。働き方改革で最近は早く帰れるようになったのですが、最初の頃は10時過ぎからトレーニングを開始して、夕飯は12時過ぎに摂るという生活でしたので、本当にお腹が空いていたんです。粉飴を使うのはトレーニング中だけですが、お腹が空かなくなったことに何より効果を感じています。あとは疲れにくくもなりました。飲まなかった頃は、疲れるし、お腹も空いていました。そうなるとやる気もなくなって、もう無理だなとなってしまいます。
トレーニングでは、最初にスクワットなどの主要メニューを持ってきて、最後のほうには小さい筋肉を持ってきます。時間があれば、そこに三頭筋や二頭筋などのトレーニングを持ってくるのですが、今まで三頭筋を鍛えるマシンなど全然押せなかったのが、粉飴を取るようになってからできるようになりました。ですから、私は、粉飴は筋肉のエサだと思っています。
使い方は、1本のボトルに粉飴、プロテイン、アミノ酸を入れて、500ccの水で溶かします。トレーニングの足のときには500ccくらい飲みますが、他の部位では350ccくらいです。粉飴の分量は適当にザザッと入れる感じで、計っていませんが、グラムにしたら50〜60グラムくらいだと思います。けっこう適当ですね(笑)。胃に負担がかかると思うので、プロテインはトレーニング中はさほど濃くしないで、粉飴のほうを多く入れています。バレーボールをやっているときにも、健康飲料は飲んでいますが口の中に甘さが残りました。粉飴はそれがないのがいいと思います。
使い始めの頃は粉飴が余ってしまって、周りの方に差しあげることがあったのですが、特に中高生のお子さんを持つお母さんに喜ばれました。部活で身体をもっと大きくしろと言われているような子のお母さんが重宝していたようです。中学生、高校生で部活を本気でやっているところはとてもハードです。カロリーをすごく消費するのに、疲れ切ってしまってご飯も食べなくなってしまう。また、そのくらいの年齢の男の子は、身体を大きくしたいのに、いくら食べても太れないような年代でもあります。粉飴であれば飲みながら練習もできるし、ピッタリなのでしょうね。

ボディビルの魅力は何ですか。

やはり楽しいです。人生が変わりましたね。飛行機に乗ってどこかに行くことなどなかったのが、一昨年は札幌や金沢に行ったり、去年は福岡や神戸に行ったりして、大会に一人で行くようになりました。そうすると全国に知り合いもできます。
私がボディビルを続けているのは、明らかに体調が良くなったことと、体型も変わったからだと思います。自分が着たかった洋服が着られるようにもなりました。それに、最初の年はフィジークでは神奈川県で1位だったのが、翌年には関東クラス別で1位、3年目にはチャレンジカップで1位、4年目の去年は東日本で1位、ボディフィットネスでは関東の158cm以下で1位、オールジャパン55歳以上で2位を取ることができました。毎年ひとつくらい1位があると気分が良いものです。

最後に目標をお聞かせください。

来年の大会では今年より良い成績を残そうと、毎年思っています。将来的には、いつできなくなるかはわからないので、できるまでやっていきたいですね。

お話から、楽しんでボディビルに取り組まれているのが伝わってきました。本日はありがとうございました。

インタビュー:ボディビル深作 靖子 様

NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー
日本筋力トレーニング推進協会認定パーソナルトレーナー
健康管理士一般指導員、健康管理能力検定1級

私が元気なのは、糖質をしっかり取っているからです。 トレーニング、栄養、睡眠などを変えることで、この歳からでも進化できます。

主な出場大会
2019.9月 第23回 日本クラス別選手権 第7位
第31回 日本マスターズ女子フィジーク選手権大会 第4位 入賞
2011.8月 第30回 関東ボディビル選手権大会優勝
2008.7月 第8回 ミズ関東クラス別ボディビル選手権大会50㎏以下級 優勝
2008.5月 第16回 東京オープンボディビル選手権大会ミスマスターズ 優勝

フィジークを始めたきっかけについてお話しいただけますか。

フィジークとの出会いは2007年で、大会デビューは2008年5月の東京オープンボディビル選手権大会です。現在はゴールドジムに所属していますが、その前はティップネスに通っていて、そこではスタジオプログラムや有酸素運動だけをやっていました。続けるうち、きちんと食べていたのに、体脂肪が3%まで落ちてしまいました。私は体脂肪を絞りやすい身体で、さらに、何時間でもトレーニングができます。身体に蓄えているエネルギーをどんどん使っているうち、体脂肪がひと桁までに落ちてしまったのです。それでトレーナーさんから、「女性でこれほど絞れる人はあまりいません。自分も2008年の東京オープンでデビューするので一緒にやりませんか」と誘われたのが、フィジークを始めたきっかけでした。
まずは、ティップネスでは大会に出られないのでゴールドジムに所属することになりました。私はそれまで筋トレ自体をあまりやっていなかったので、大会までに筋肉をつけるのが可能なのかわからなかったのですが、トレーナーさんに「情熱があれば大丈夫です!週に5日は通ってください」と言われ、やるだけやってみようと、週5日、仕事が終わってから10時くらいまでトレーニングする日々を送りました。その中で、アドバンストレーナーをされている小沼さんに出会い、見てもらうようになりました。非常に厳しいトレーニングでしたが、小沼さんと出会えたことに感謝しています。本当によく面倒を見ていただき、第16回東京オープンボディビル選手権大会ミスマスターズでは優勝することができました。そこから完全にはまってしまって、10年やり続けています(笑)。翌年にも第8回ミズ関東クラス別ボディビル選手権大会50㎏以下級で優勝することができたので、自分でも楽しかったのだと思います。

深作さんはパーソナルトレーナーとしてもご活躍されているとお聞きしました。

2017年、フィジークを始めてちょうど10年目に当たる年で頑張りたいと思っていた矢先に、ローテーターカフという肩の腱板を全断裂してしまったのです。高いところに手が届かず、お皿1枚持ってもガクンと落ちる状態でした。手術によって選手生命が絶たれる恐れもありましたが、すばらしい執刀医の先生、理学療法士の先生に出会うことができ、手術することを選びました。その手術後のリハビリで、今までのような重量に任せたトレーニングは無理だと思うようになり、これからは健康寿命のため、私のような年齢の方やシルバーの方たちにも、何らかのかたちでトレーニングをしてもらいたいという思いが生まれました。腰が痛いのであれば、腰痛予防になるようなストレッチが必要です。ところが、私の年齢でパーソナルトレーナーになる人はほとんどいません。それでも、若い人にはわからない痛みがあり、自分でその痛みがわかっている私の年齢だからこそできることもあると思ったのです。私の年齢であれば、60代、70代、80代の人も診ることができるかもしれません。肩が痛い人、腰が痛い人にはどういったトレーニングが向いているか、自分なりに勉強したいと思いました。
この手術とリハビリをきっかけに、それまでお世話になった会社を辞めました。そしてリハビリを続けながら勉強して、パーソナルトレーナーの資格を持つに至りました。

普段の食事で気をつけていることはありますか。

1日3食、必ず取ります。移動が多いので、キャリーバックに常にお弁当のようなものを入れておいて、中間食も取っています。家族の食事とは完全に別で、私は最低でも1日600グラムのお肉を食べるようにしています。お肉にもいろいろありますが、基本的にはトリの胸肉が一番多いです。ボイルしたものを切って、ひとつ100グラムにして分けておけば、どれくらい取ったかがわかります。一度にではなく、朝、トレーニング後、昼、夕方、帰宅後など、1日の中でそれを必ず全部を食べきります。一緒におにぎりなどの糖質も取るので、そんなに細いのにそんなに食べるのかとよく驚かれますが、実はもともとは菜食主義のような感じで、お肉はあまり好きではありませんでした。体重も41キロくらいしかなく、それで体脂肪も少なかったのだと思います。身体に吸収する能力が他の人よりも低いのかもしれませんね。フィジークを始めてからは、意識して食べるようになりました。
周りの人から「深作さんはいつも元気だ」と言われますが、それは糖質を取っているからです。疲労感だけ残ってしまったらトレーニングで追い込めませんし、完全に糖質を制限するのは絶対に良くありません。2カ月で10キロ、20キロ落としてもリバウンドしてしまい私のところに相談に来る方もいらっしゃいます。糖質制限を厳しく指導されるところもあるそうですが、それでは一時的に痩せても、その後どうしてもリバウンドしてしまいます。
たしかに糖質を制限すれば体重は落ちますが、私は、夜は制限するにしても、朝や昼には必ず糖質を取るように伝えています。時間はかかりますが、健康寿命ということを考えれば、絶対に糖質を取ったほうがいいのです。ただし夜は控えめにします。食べて飲んで、そのまま寝てしまうのはよくありません。

トレーニングでの栄養補給や減量はどのようにしていますか。

私の減量は代謝を上げることをカギにしています。カロリーを制限するのは引き算の考え方です。取った分よりも落とすためには、代謝を上げるのが一番手っ取り早い方法です。もともと身体も大きいほうではないので、きちんと食べて、トレーニングで追い込んで、代謝を上げて、体重を落としていくというやり方で、基本的には糖質をずっと取っています。タンパク質ももちろん取りますが、糖質を制限してしまうと疲れてしまってトレーニングができません。
仕事の合間にトレーニングをする場合、最初にご飯代わりに粉飴を取ります。トレーニング中は、BCAAと粉飴など混ぜたドリンクを作っておいて、必ず飲みながらトレーニングを行っています。そのときの空腹具合によって、プロテインや粉飴を溶いたものを入れます。トレーニングが終わった後には白米のおにぎりを食べたり、プロテインを取ります。ですから、私は普通の人よりもかなり多く糖質を取っています。自己分析ですが、この年齢になっても代謝が落ちないのはそのおかげもあると思っています。

粉飴はどのようにしてお知りになったのですか。

粉飴は4年前に大会の会場でもらって知りました。私は大会に出る数が多いので、もらうことも多かったのですが、最初は使い方がよくわかりませんでした。減量ということを考えると、低カロリー甘味料のように、糖質が少ないのに甘みを感じるものであれば、受け入れやすかったのかもしれません。でも、「粉飴は逆では?」と思ったのです。周りの人に「粉飴どうしてる?」と聞いたりしていましたね。特に女性は粉飴を怖がる人が多いように思います。糖質を取ると脂肪になると思ってしまうのでしょうね。私も最初は使わずに、若い子にあげたり、高齢の方に良いと聞いて母にあげたりしていました。
自分で使い始めたのは去年からです。代謝が上がりすぎてしまって、食べても体重が落ちるようになってしまい、これはもっと糖質を取ったほうがいいと思いました。また、手術後、理学療法士の先生の話を聞いているうちに、サプリメントを取るのをやめようと思うようになりました。それまではいろいろと飲んでいたのですが、本当に効いているのか疑問になったのです。それでいろいろなものを削ぎ取りました。粉飴は単純に糖質なので、そこも良いと思いました。
今では粉飴をかなり使っていて、最近は、トレーニング中に疲れてきたときには粉飴のジェルタイプを飲んだりしています。粉飴ジェルはカロリー計算がわかりやすいのがいいですね。それに即効性を感じます。疲れたなと思って飲むと、まだいけるかもと実感できるのです。

深作さんにとってフィジークの魅力とは何でしょうか。

「筋肉は嘘をつかない」と言われますが、本当にそうです。トレーニングを頑張ればそれだけ筋肉がつき、やめるとすぐに落ちてしまいます。ひと桁の体脂肪にまで絞るので、それが健康的かどうかという疑問もありますが、頑張ってトレーニングをし、大会に出ることによって、栄養のバランスに気を配ることにもつながります。自分の生活の中に目標があるということはすごくありがたいことです。怪我をしてできなかった1年間があるので、今できる限りやっていきたいですね。ビキニ等のカテゴリーと違い、フィジークは年齢が高い方も多いので、まだまだできると思っています。
「先生は希望の星です」と言ってくださるクライアントさんもいます。クライアントさんのほとんどが私より若いのですが、「もう無理かなと思っても、先生を見ているとまだまだいけると思います。とにかく頑張ってください」と言ってくださるのです。こうした言葉も自分の励みになっています。10年もやっていれば怪我もありますし、関節も靱帯もあちこち壊れてきて、今年が最後かなと思うこともあります。だからこそ食事管理が大事です。1日のスケジュールの中で、栄養、睡眠、日常、仕事など、いろいろなことを考えながらトレーニングすることを自分の生活のサイクルの中に入れてほしいのです。時間がなければ30分でもいい。ジムに行けなくても、ウォーキングでもなんでもいいのです。年齢が高くなれば、股関節を動かすだけでも違います。皆さん、一番高齢の私に言われると、疲れたとか言えないみたいです(笑)。

最後に、今後の目標がありましたらお聞かせください。

やはり全日本選手権に出たいという気持ちがあります。全日本のファイナリストだけは翌年も出られますが、今は各大会で6位までに入賞しないと出られなくなっています。今年は東京選手権でその資格を取ることができ、出るだけ出たのですが、さすがに無茶だったようです(笑)。
順位は大会の審査員の先生方がつけることなので、順位だけにこだわるのではなく、去年の自分の身体よりも進化できればと思っています。この年齢で進化するのは難しいことですが、トレーニング、栄養、睡眠などを変えることによって、まだまだ変わっていけるのではないかと思っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました。今後のご活躍をお祈りいたします。

インタビュー:ボディビル西垣 彰人 様

今は経験が少ないのですが、一つひとつ登っていきたい。神奈川で優勝するのが今の目標です。

主な出場大会
2018年 関東ボディビル選手権クラス別 75kg以下級出場
神奈川ボディビル選手権 75kg以下級 6位
関東ボディビル選手権 ニューカマー部門 出場
2017年 関東ボディビル選手権 ニューカマー部門 8位
神奈川ボディビル選手権 70kg以下級 4位
東日本ボディビル選手権出場

ボディビルとの出会いについてお聞かせください。

学生時代はサッカーに打ち込んでおりましたが、大学生の時、膝の前十字靱帯を断裂してしまいました。サッカーに復帰するため手術をしたのですが、リハビリを続けていく中で、次第に筋肉が通常に戻る、さらに筋肉がつく感覚に魅力を感じるようになりました。退院と同時に一般ジムへ入会して、トレーニングを続ける中で、「ボディビル」と出会いました。今はGOLD GYMでトレーニングをしているのですが、通いやすいよう近くに引っ越しました。ボディビル大会に参加し始めたのは2年前からです。

トレーニングはどのように行っていますか。

週5〜6回で、2時間前後トレーニングしています。今はオフシーズンで、ビッグ3を中心に重量を扱っています。大会3カ月前からは、ディフィニッションを磨くトレーニングをします。ハイレップスのトレーニングが多いですね。
トレーニングは基本的に一人で行います。周りに大会に出られる方が少なく、ネットワークも小さいのですが、小島さんと出会って世界が広がりました。この出会いには本当に感謝しています。

エネルギー補給についてお聞かせいただけますか。また、糖質の必要性はお感じになりますか。

粉飴を水もしくはジュースと混ぜて補給しています。トレーニング前とトレーニング中に粉飴を取るようにしているのですが、このオフシーズンには特に多めに取っていますね。粉飴のことは、昨年大会に出た時に参加賞でもらって初めて知りました。サプリメントとして効果を実感できたのは粉飴が初めてです。粉飴は、バテないと本当に効果を実感することができましたので、トレーニングにおける糖質の必要性は痛感しています。

食生活ではどのようなことに気を付けていますか。

栄養バランスを考えて食事しています。もともと食が細く、バルクアップする事が課題です。単に「太る」ではなく、使用重量を伸ばすために増量するという感覚です。今はたくさん食べることに重きを置いて、糖質はトレーニング前とトレーニング後のタイミングで重点的に摂取するようにしています。トレーニング前とトレーニング中には粉飴を摂取し、トレーニング前に時間があればおにぎりも2〜3個食べます。トレーニングの前後以外では、鶏肉、魚、野菜を取るようにしています。

減量で苦労されるのはどのようなところですか。

バルクアップが課題で、減量はそれに比べ容易な体質です。ただ、減量が成功か否かは結果が出てから分かることです。ベストサイズをキープ出来るように、エネルギー源をしっかり取って減量に取り組むようにする。それを来年の目標にしたいと思っています。

年間でどれくらい大会に出ますか。今後のご予定、目標についても教えていただけますか。

昨年に続き今年も、3~4つ大会に出場しました。経験値を増やしたいので、可能な限り多くの大会に出場したいと考えております。来年はリベンジも含め、今年に参加した大会にもう一度出場する予定です。大きな目標としては、全日本選手権に出場することです。小さな目標として、神奈川県ボディビル選手権大会で1位を取ることを目指しています。一つひとつ着実に登っていきたいです。
自分が大会に出たという話はしますが、周りの方にボディビルを強く薦めることはあまりありません。ただ、ボディメイクという観点では、母や彼女にも薦めています。彼女たちはシェイプアップが目的なのですが、彼女がGOLD GYMに入会してくれて、一緒にトレーニングに行くこともあります。今はボディビルがとても楽しいですね。やめられません。

西垣さんのこれからの目標達成とご活躍を心よりお祈りいたします。本日はありがとうございました。

インタビュー:ボディビル国塚 清久 様

良くても悪くても自分次第、自分一人で戦えるのがボディビルの魅力です。

主な出場大会
2017年 日本マスターズ50才以上70kg以下級 2位
2017年 日本クラシック168cm以下級 2位
2015年 アジア大会日本代表、クラシックボディビル168cm以下級 3位
2014年 東日本大会70kg以下級 優勝
2013年 関東クラス別70kg以下級 優勝
2008年 神奈川県大会男子ボディビル 優勝

ボディビルを始めたきっかけを教えていただけますか。

19年、20年前の話になりますが、34、35歳の頃、ダイエットのために近所のジムに入ったのがトレーニングのきっかけです。もともと太っていて、子どもも生まれたので、あまり太っていては恥ずかしいだろうと思ったんです。それまでもホームトレーニングのような感じで、家で軽いダンベルやバーベルを上げたりはしていたのですが、特に運動をしていたわけでもなく、健康のためという程度でした。
ジムに入った時、会長に「君みたいな人を待っていたんだ」と言われてボディビルをはじめました。後から聞いたらみんなに言っていたようです(笑)。入ってからは最初からボディビルのメニューをこなすようになりました。さらに、夏過ぎに入ったばかりだったにもかかわらず、会長の「どうせトレーニングするのだし、出ちゃえば?」という軽いノリの一言で、翌年には、90キロ台あった体重を落として、神奈川大会に70キロ級で出場しました。前日までポーズと名前が一致しないような状態で出たにもかかわらず、わけもわからないまま2位になることができました。
そんな感じで2000年にデビューしてから今年まで、1年も欠くことなくいろいろな大会に出場し、2008年にはミスター神奈川になりました。2015年アジア大会では日本代表で出ています。日本マスターズも40歳からずっと出ている好きな大会です。下は40歳から80代までありますので、50代はまだ子どものようなものです。最近はフィジークの人気がとても高く、特に若い子にはボディビルよりも入りやすいのか、大会でもフィジークが当たり前の感じになってきています。ボディビルはわりと年配の方が多いのかもしれません。

ハードなトレーニングはどのように乗り越えられたのでしょうか。

トレーニングは全然大丈夫でしたね。性格的に、何曜日は何と決めてしまえば、それをするのは苦ではありません。トレーニングが嫌だと思う日もありますが、行かない日はありません。こんなに長く続いている趣味はありませんので、自分に合っているのだと思います。
トレーニングは、基本的には仕事が終わってから、週5でだいだい2時間半くらいです。土日は休みにしていて、運動らしいことは何もやりません。平日は、オフの時期にも通年でトレーニングしています。メニューは自分で考えて毎回変えて、同じことはやりません。マシンが混んでいるだけなど、さして意味はなかったりするのですが(笑)。
あとは、これはトレーニングではないのですが、私は色白なので肌を焼くのも大変です。大会前には日焼けサロンに行きますが、シーズンの最初は会社の屋上で焼いています(笑)。

食事制限についてはいかがでしょうか。

食事についても誰かに教わったわけではありません。全部自分でやってきました。誰かが「俺は胸肉とブロッコリーを食べている」と言うのを聞いて、そういうものかと思い、最初の2〜3年はそれしか食べませんでした。今思えば、その頃の体調は良くありませんでしたね(笑)。今は、朝昼はほぼ胸肉で、夜のトレーニング前には玄米ご飯と魚を食べます。特にマグロの血合いをけっこう食べていますね。胸肉でハンバーグを作ったこともあります。料理は、基本は妻が作ってくれるのですが、自分も手伝って一週間分まとめて作ったら、ものすごい肉の量で本当に大変でした。しばらくやりましたが、土日に2時間も3時間もかけて作るのが嫌になってしまってもうやめました。最近は簡単にしています。前日に食べる分の胸肉を切って、柔らかくするために炭酸水に漬けておくんです。朝、それに粉をふって、味は付けずにオーブンで焼き、食べる時に気分によってソース等をかけます。大会前になると塩分も減らしていきますので、自分がかけるもので調整できるようにしておくのです。
オフの10月、11月、12月は食事がもっとも気楽な時期です。オフにはわりと好きなものを食べますが、一応、プラスアルファで胸肉系は食べ続けます。食事の量が増えて、スイーツも食べちゃおうかなとか(笑)。甘いものが大好きなんです。週末に2〜3キロ増えてしまったら1週間でまた戻す。その繰り返しです。年明けがくると、大会に向けてなんとなく準備を始めるのですが、最初の頃は90何キロまでいった体重を60何キロまで落とすこともありました。年齢的なものもあるのか、今はシーズンとオフでの体重の変動は減ってきて、増えても5キロくらいです。あまり上下させるのも身体に負担がありますから、徐々に増減を少なくしていっています。

粉飴をお使いいただくようになった経緯をお聞かせください。

粉飴は、2016年頃の大会でいただくようになって知りました。これは何なのだろう?と使い方がわからずに、最初の2年くらいは若い子たちにあげていました。逆に、カロリーがなくて甘ければ、低カロリー甘味料のようにコーヒーや何にでも使えるのにと思っていたくらいです。カロリーがあって甘くないんじゃ使えないなと。
使うようになったのは、今年のシーズンからです。今年の夏の暑さで、食べても体重が落ちるようになってしまったんです。タンパク質をかなり取るようにしても、身体にすっきり感が出てこない。食べて体重が増えても身体が違うというか、何だか質感が違うのです。これじゃないぞと。そんな時に粉飴の記事を見ました。最初は名前から飴なのかと思って取っつきづらかったのですが、知るうちにこれは良いと思って飲み始めるようになりました。そうすると、カットも残しつつ体重を維持することができ、嫌な感じに太ることもありません。それに集中力がずっと続くのです。
使い方は、BCAA、粉飴、クエン酸を混ぜています。1リットル作って飲みながらトレーニングすると、疲れないわけではないのですが、平気だな、まだまだいけるという感じで、トレーニングが終わってからも元気なんです。トレーニング直後のプロテインにも粉飴を入れて、飲んでいます。量もアバウトでそんなに取っているわけでもないのに、粉飴を続けていると、疲れないし良い感じです。普通、減量してギリギリまでいくとけっこうへろへろになってしまうのですが、それがありません。

ボディビルにはどのような楽しさ、魅力がありますか。

まず、自分一人でできる、ということがあります。一人でやっているから自分の好きにできる。そこが長続きしている理由の一つではないでしょうか。人の意見もありますが、チームプレイではないので自分で勝手に決めていけるし、良くても悪くても自分で、誰に言われるわけでもありません。大会に出ることで評価も数値で出るという点もあります。ボディビルで強くあるためには、しつこさやライバルの存在が大きいと思います。口にはあまり出さなくても、あいつだけにはぜったいに負けないぞという気持ちです。今はけっこうゆるくなってきてしまって、健康のために近くなってきているのですが(笑)。
ボディビルを始めてから、体調にも変化がありました。もともと頭痛持ちだったのですが、今では少なくなりました。血圧も20代よりも今のほうが低いですし、健康診断の数値もすべて良いほうで、30代前半の頃の診断結果より今のほうが良いくらいです。

今後の目標がありましたらお聞かせください。

来年は日本クラシックで何とか勝ちたいですね。去年も出場したのですが惜しくも2位でした。目標は大会ごとにありますが、どれがメインの大会というよりはその時々でどれも全力です。ピークは過ぎているので将来どうこうということはあまりありませんが、トレーニング自体はずっとやっていきたいと思っています。

国塚さんは、ダイエットで始めたボディビルで、健康と表彰台のどちらも達成されました。今後のご活躍をお祈りいたします。本日はありがとうございました。

インタビュー:ボディビル渡部 みゆき 様

ボディビルはいくつになっても頑張れる競技です。仲間の女性たちの励みになれたらと思っています。

主な出場大会
2017年 日本マスターズ50才以上級 優勝
東日本大会158cm以下級 2位
日本クラス別158cm以下級 3位
2014年 神奈川県大会女子ボディビル 優勝

ボディビルを始めたきっかけを教えていただけますか。

私は、腰と股関節に持病があります。ウェイトトレーニングなんてやってはいけない状態だったのですが、通っていた整骨院の先生にリハビリ感覚でやるのならと薦められました。最初の2年は、30分くらいマシンを軽くやるくらいでした。始めて3年目、2013年の終わりに、何のためにトレーニングをしているのか問われた時、「そうね、ボディビルをやってみようかしら」と答えてしまったのがきっかけですね。周りにボディビルをやっている人もいましたし、前年度に女性で始めた方もいたので、ちょっとやってみようかという軽いノリでやる宣言してしまったのです。そんなノリで2013年の暮れからボディビルのトレーニングを始めて、2014年の夏の神奈川の大会で優勝してしまいました(笑)。こんなので取れてしまって良かったのかなと思いましたね。
実は、ボディビルをやる以前から大会は3年ほど見に行っていていました。ボディビルの女子は50代が主流です。当時、私は40代の終わりで、出ている女性がほとんど私よりも年上の方だったので、自分より年上の人が頑張っていると驚いたのを覚えています。それから51歳の時に始めて、今は5年目です。神奈川の大会は優勝したのでもう出ていませんが、日本クラス別、マスターズなどの大会に出ています。2017年のマスターズでは優勝することができました。

ボディビルでは栄養補給も重要なポイントになると思います。始めてから食事は変わりましたか。

初めてボディビルの大会を見た時には、鍛え抜かれた身体を目の当たりにして、どんなトレーニング、どんな食生活をしているのかと思いました。相当なものがあるということは自分が減量してみて、後でわかりましたが、やはり日々の努力がないとできません。気を抜くということは難しいですね。もともと体重がなくてあまり食べないほうでしたが、まずは身体を大きくしなければいけないので、タンパク質を増やすのが通常のやり方です。最初の頃は減量をするにも炭水化物が怖かったので、低GIの玄米などを食べて、タンパク中心に食べていました。
ボディビルを始めて食事は本当に変わりました。タンパク質が多めで、油ものを取ることは通年通して減りました。油っこいものは嫌いではないですし、甘いものも好きです。取らないわけではありませんが、それを好きなだけ食べることは自然になくなりました。ですから、良い意味で身体は整いました。ただし、関節に関してはボロボロかもしれないですね。不思議なもので、オフになると余計に痛みを感じます。やっている時は大丈夫なのですが(笑)。
お昼に食べる会社のお弁当は、オンもオフも変わらず、変わらず鳥の胸肉を200グラム食べると決めています。昼でその量を取れば、朝と夜と間食のプロテインでどれだけタンパク質の量を取ればいいのか、計算できるからです。胸肉ばかりだと飽きてしまうので、味付けはいろいろ工夫していますね。私の場合、胸肉にショウガと黒こしょうを混ぜたものを基本の味にして、そこからアレンジしていきます。値段を考えると胸肉ばかりになりがちなのですが、牛肉の赤いところ、マグロの赤身、少し脂はありますがサーモンなど、そういった赤いものも意識して取るようにしています。ですから胸肉は主に昼で、そこをメインとして抜かないようにして、朝と夜は普通です。ボディビルダーをやっている人は、夜は食べないことが多いのですが、私の場合、会社からジムに行く間にプロテインだけ飲んで、帰ってから食べます。本当は、会社からジムに行く間、プロテインだけでなくおにぎりを入れたいのですが、今は粉飴を入れています。帰ってからは、主食は抜いて魚などのタンパク系を入れています。

粉飴はどのようにしてお知りになりましたか。

2016年くらいから、大会で粉飴をいただくようになりました。最初は粉飴が何なのかわからなかったので、栄養系に詳しかった娘に聞くと、マルトデキストリンというのは腎臓病の人が使うもので、腎臓病の人はタンパク質が取れないから、その分エネルギーを入れなければいけないのだと教えてくれました。粉飴がエネルギーになるものだと知ったものの、それがどういうものなのかわからなくて、そのまま2年間家に貯めっぱなしでした。ところが、若い男の子たちはよくわかっていたんですね。粉飴を欲しがるジムの子たちがいて、分けてあげることもありました。
その後、粉飴は効くよと言われて、今年の夏前から粉飴を飲み出すようになりました。BCAAと粉飴、クエン酸を入れて、ストレッチを行う前に必ず飲んでいます。私はあまりサプリに頼らないタイプで、もともとBCAAも飲んでいなかったのですが、この夏の暑さはまずいと思ってミックスして飲み始めました。飲む量はよくわからなくて、今は体重と同じくらいにしています。1キロに対してだいたい1グラムで、今40数キロなので50グラム前後を1度に入れています。それでトレーニングがしっかりできています。今年のように暑いと、余計に身体の変化がわかりました。

粉飴のどのようなところが長所だと思いますか。

粉飴を飲むと、練習中の生あくびや疲れがなくなってきて、最後までできるという感覚があります。一つの種目が終わってもあまり座ることをせず、もう1回そのままいけるんです。最初は、炭水化物と聞くと少し怖いような気がしていましたが、今は怖くはありません。粉飴で体重が増えるようなことはないと、今年の夏でわかりましたから。最近、どうしたら減量できるのか聞かれることがあります。この間も、トレーニング前にはタンパク質を食べたほうがいいのかと聞かれたので、そうではなく、逆に炭水化物を入れるようにアドバイスしました。何しろエネルギーですからね。
粉飴は代謝にも良いと感じています。今までは代謝が落ちていて、冷えもありました。私くらいの年齢だと更年期ということもあるのかもしれません。この夏に粉飴を飲むようになってからは、汗の出もよく、冷えがきませんでした。いつも冷房で寒がっていたのが今年はないねと、会社でも言われましたね。もしかしたら、50歳過ぎの人のほうがそういった効果を実感できるのかもしれません。
もちろん食生活や運動のおかげでもあると思いますが、血圧にも変化がありました。もともと血圧は低かったのが、40代に入って上がるようになってきました。それが、粉飴を始めてから血圧は元通り、コレステロールも下がりました。ホルモンバランスまで良いほうに整ってきています。

ボディビルの魅力は何でしょうか。

いくつになっても頑張れる、ということが一つあります。皆さん、年齢で諦めてしまうところがあると思います。ところが、私がやることで、同じジムの40代くらいの女性も「私もやってみようかな」となるようです。そうすると、「平気よ。私が始めたのは51歳だから」と。自分よりも一回りも上の人がやっていると、自分もやってみようという気持ちになるのでしょうね。
私には国塚さんとあともう一人、良い師匠がいます。ボディビルをやり始めの2年間は、本当に一緒になってトレーニングしていただきました。質問をすると、「僕はこうだけど、これは僕のやり方だから」という答え方をしてくれます。そこから自分で考えます。だから、ここまで道筋を引っ張ってくれたと思っています。仲間もたくさんできました。女子のフィジークの方、ボディビルダーは本当に良い人ばかりです。変な話ですが、女の世界であっても嫌な方がいません。「どんなものを食べてる?」「こんなトレーニングをした方がいいよ」など、そういった情報が溜まる場所になっています。やっていてそれがすごく楽しいですね。

今後の目標がありましたらお聞かせください。

女性のボディビルダーで、60代でやっていらっしゃるレジェンドで高松さんという方がいらっしゃいます。私より9歳上で肌感も良く、日本クラス別で入賞もされています。そういう人を見ると、やめられないなと思います。60歳まで、あと4年は頑張っていこうと思っています。モチベーションを保つためにも、クラス別とマスターズで表彰台が欲しいという願いはあります。

素晴らしい目標ですね。渡部さんの今後の活躍をお祈りいたします。本日はありがとうございました。

インタビュー:ボディビル寺地 進一 様

何歳になってもやり方次第で戦える、目標を持ち続けることができるのがボディビルの魅力です。

2018年 ジャパンオープン 日本クラス別70キロ級
ミスター日本
2016年 ミスター東京
2015年 ミスター東日本
2013年 ミスター関東

寺地さんとボディビルとの出会いを教えてください。

ボディビルは15歳で始めました。レスリングをやっていたのですが、補強のために筋トレを始めました。そこでボディビルの大会などにも出るようになり、夢中になっていきました。レスリングも3年間きっちりやりましたが、その頃からボディビルのほうが好きでしたね。その後もずっと続け、成績も少しずつ上がってきて、40歳のとき、東京ボディビル選手権で優勝することができました。
高校時代は、3年間では体重はそんなに増えず、54キロ級、58キロ級、63キロ級に出ていましたが、今は日本クラス別選手権では70キロ級に出ています。東京クラス別選手権では75キロ級でも通用したのですが、日本の体重別日本クラス別選手権にはあえて70キロ級に出ています。

普段はどのようなトレーニングをしていますか。

減量中のトレーニングは週に6日、1回2時間程度です。2時間以上することもできるのですが、そこは超えないようにしています。土日は、ジムが空いている早朝や深夜に行けるので必ずトレーニングして、平日のどこかで休みを入れます。さすがに7日はできないですね。やったこともありますが、関節も治りにくく調子も悪くなってしまいました。1日は休みを取って、その日は有酸素運動も何もしません。むしろ銭湯に行ったり、針治療に行ったりしてメンテナンスに充てています。減量中は身体を酷使しているので、そうしないともちません。
オフでもトレーニングは週に4〜5回しますし、やることは一緒です。でも、食事については何も気にしません。

トレーニングにおける栄養補給はどのようにしていますか。

昔から、トレーニング後に単糖類を取るのがボディビルダーの常識でした。僕もそれに倣って、トレーニング直後に、マルトデキストリンやブドウ糖など、血糖値を上げる単糖類をプロテインと一緒に混ぜて取っています。疲労回復にもいいし、プロテインの吸収も良くなります。最近では、トレーニング中から取ったほうがいいと言われるようになってきました。全日本トップクラスのビルダーたちが、トレーニング中にアミノ酸と単糖類を一緒に混ぜて取るというやり方をしています。
それで、僕もトレーニング中から取るやり方にしました。今まで少しずつ順位が上がってきていたのに、去年は頭打ちであまり伸びず、今年は何か変えようと思っていたんです。もちろんトレーニング直後に取るやり方でも調子は良かったのですが、それだと去年と同じになってしまいます。今までと違うことをやらないと、けっきょく同じ身体になっていまいます。トレーニング中にも取ることで、トレーニング中にバテなかったり、集中力が続いたり、セットをより長くできたりします。それに、アミノ酸の吸収も良くなって、同化作用が上がるという結果も出ています。それを信じて、今年からそのやり方にしています。どんな結果になるのか自分でも楽しみです。

トレーニングにおける糖質の必要性についてはどうお考えですか。

ボディビルダーにも糖分を取らない人もいて、減量中に糖分を取るのが怖くなる気持ちもわかります。しかし、雑誌や先輩方から聞いた話では、「トレーニング直後はむしろ単糖類を取ったほうがいい」ということでした。寝る前や日常生活の時間帯の単糖類は別ですが、トレーニング直後の筋肉がカラカラになってグリコーゲンを使った状態で取れば、インスリンは筋肉にいくそうです。実際に自分でもそう思います。糖分のせいで減量が進まないことはありませんし、そもそも取らないと身体がもちません。1日のうちその時間に集中して単糖類を取ると、一気に身体が楽になって回復も早くなる感じがします。僕は昔から、どんな減量をしていても、炭水化物を少なくしている日でも、トレーニングした後の食事ではプロテインと単糖類を必ず取るようにしています。
炭水化物を一切取らないノンカーボでトレーニングをするボディビルダーもいます。僕も昔やったことがあるのですが、低体温になってしまいました。風邪もひきやすくなるし、結膜炎にもなりやすくなりました。自分には合っていなかったですね。摂るべき時間帯には取るというスタイルが、自分には一番合っているようです。動かないようなときにはタンパク質、野菜が中心で、動くとき、動いた後には糖質を取るほうがぜったい身体に良いと思います。

粉飴の具体的な使い方を教えていただけますか。

たとえば減量中のトレーニング直後には、体重1キログラムあたり粉飴1グラム、だいたい70グラムを必ず取るようにしています。筋肉が仕上がった体重に対して1グラム、昔からそれくらいが常識と言われています。個人の体感ですが、プロテインだけだとカラカラすぎて全然疲れが取れた感じはしません。僕の場合、30グラムでも回復した感じがありません。自分の体重1キログラムあたり1グラムくらいは取らないと、楽になったという体感はありませんね。そこは怖がらないでガツンと取るようにしています。ボディビルダーが競技するレベルの筋トレは、普通の人がするよりもっとハードなものです。70グラムが最低でさらにもう少し取ることもありますが、それで減量が進まなかったことはありません。
トレーニング中の補給では、混ぜるのは30グラム程度です。BCAAのマンゴー味3杯と粉飴30〜35グラムを入れて、1リットルの水で溶かしています。それをトレーニング中に飲みきるようにしています。
以前は健康飲料など色々と使ってきましたが、今は粉飴です。粉飴は成分が一番純粋なのですごく助かっています。安いですしね。粉飴は変に味がついていないので、プロテインの味が変わらないのもいいですね。僕はアミノ酸に味がついているものを飲むので、その味で飲めるのがありがたいです。

減量中はどのような食事メニューにしていますか。

減量中の食事メニューはだいたい決まっていて、1日6回身体の中に栄養を入れることをノルマにしています。朝食、休憩時間、昼食、仕事終わってから、トレーニング終わった後、最後に夜食の6回です。
朝早めに起きて、まず、ブラックコーヒーにBCAA10グラムくらいを入れて取ります。それから有酸素運動として1時間くらい早歩きをするのですが、ここではマルトデキストリンは取りません。有酸素運動と日常生活は脂肪を落とす時間にしているからです。逆に、トレーニング中は脂肪を落とすことは考えず、あくまで筋肉を付ける時間にしています。良いトレーニングにするために、しっかりと糖分を取って同化作用を促します。トレーニング以外の時間は、グリセミック指数が低めの炭水化物やタンパク質、良質の脂肪を取るようにしています。朝、昼、晩と糖質を取ったほうがいいという考え方もありますが、僕はトレーニング中・後に集中して炭水化物や単糖類を取っています。
朝食では炭水化物を取らず、ゆで卵2つか3つ、プロテイン50グラム、魚の油2グラムです。昼は玄米などのグリセミック指数が低めの食べ物にしています。玄米180グラムと納豆、ツナ缶2つ、それにザバスを飲んでいます。仕事が終わると一度プロテインを入れて、帰宅してから補給の準備をして、夕飯もそこで作ります。6時半〜7時頃から2時間ほどトレーニングし、トレーニング後さらに糖分とプロテインを取ります。夜食は寝る直前に、野菜とタンパク質を取るようにしています。

ボディビルの魅力を教えてください。

自分は普段欲に弱い人間なのですが、ボディビルをやっているときだけは真剣になれるんです。特に大会を目指している期間は我慢も必要ですし、生活も規則正しくなります。そういう点で自分にはボディビルがぜったいに必要です。自分のことが少し好きになれる時間でもあります。1日1回トレーニングをすることによって、自分が正されるような感じがします。
他のスポーツと違ってボディビルは40代後半が全盛期で、何歳になっても年代ごとに目標を持てます。日本選手権では50歳過ぎて表彰台に登る方もいます。女子は1位も2位も50代です。それを見ると、自分もまだいけるんじゃないかと思うんです。普通のスポーツだったら42歳はもう伸びしろゼロですよ(笑)。もちろん筋力や瞬発力は衰えます。でも、成績が上がってきているということは、筋肉の質感、やりこんでいる密度が年と共に上がってきているのだと思います。何歳になってもやり方次第で戦える。そこもボディビルのいいところです。
長く続けてきていますが、ボディビルをやめたいと思ったことは一度もありません。僕は独り者なので、むしろボディビルをやっていなかったら何をやっていたんだろうと思います。こんな風に燃えることができるものがあって良かったです。減量をしていても、腹減っていても楽しいですね。

寺地さんの周りにボディビルを始めたい方がいた場合、どのようにアドバイスしますか。

僕は都の職員として市場に勤務していて、朝は早いですが基本的に残業がありません。趣味の時間を持ったり、トレーニングをするには最高の環境です。実は市場ってけっこうボディビルダーが多いんです。僕の職場にも5人くらいいます。だから、プロテインをシャカシャカしていても全然違和感ありません(笑)。会社にはけっこう良いトレーニング施設もあるので、まずはそこでトレーニングを始めて、本気で大会に出たいとなったらジムに入会することを勧めます。最初はベンチプレス、スクワット、デッドリフトの重さを伸ばしていくことを目標にします。最初のうちはそれでどんどん伸びていくでしょう。
フィジークが出てから、筋トレをする人がすごく増えましたよね。

今後の目標を教えてください。

「東京ボディビル選手権で優勝する」というのが僕の大きな夢だったのですが、運良く叶えることができました。それでもういいかなとも思ったのですが、全国大会に出ると欲が出てきました。オーバーオールの日本選手権は正直通用する大会ではないと自覚しているのですが、日本クラス別選手権での優勝は1回だけでいいからという思いがあります。それで、今年の7月に札幌で開催される体重別(日本クラス別選手権)の70キロ級に出る予定です。この大会は日本選手権に次ぐ大きな大会ですし、ガチ勝負の大会です。私は2年連続2位ということもあり、今年はすごく気合いが入っています。日本チャンピオンで輝くって格好いいじゃないですか。やっぱりそれがほしいですね。それが夢です。

素晴らしい夢をお持ちですね。寺地さんの大会でのご検討をお祈りしています。

インタビュー:ボディビル生稲 悦宏 様

トレーニングと減量を通じて糖質の大切さを痛感しました。けっきょく、身体は食べることで仕上がります。

2018年10月 全日本選手権(予定)
2018年8月 ミスター東京ボディビル選手権大会(予定)
2017年 東日本ボディビル大会総合優勝
2014年 東日本ボディビル大会マスターズ40優勝
2014年 日本社会人ボディビル大会マスターズ40優勝
2005年 日本社会人ボディビル大会優勝

ボディビルと出会ったきっかけを教えてください。

働き始めてから太ってしまったので、ダイエットがてら、先輩に誘われてスポーツクラブでバーベルを上げるようになったのがはじまりです。少しトレーニングすると筋肉がついて身体が変わっていく。それが楽しくて快感になってきました。22歳からボディビルを始めて、もう23年経ちます。

それまではボディビルなんて全然知らず、むしろ嫌な世界、怖い世界だと思っていました。ボディビル好きの先輩にビデオや雑誌を見せてもらっても、最初は抵抗感がありました。それが次第に格好良く見えるようになり、すっかりはまってしまいました。33歳で子どもができてボディビルを一度やめたこともありましたが、どうしてもやりたくなり、40歳で再開しました。

粉飴はどのようにお知りになりましたか。

粉飴は、アスリート用が出る4年くらい前から使っています。知り合いが粉飴を使っていて「粉飴はいいよ。コストパフォーマンスが優れている」と勧めてくれました。僕が使ったことがあったマルトデキストリンは2キロで3000円くらいだったのに、粉飴はその半分以下の金額で、なおかつ腹もたれがまったくしなかったんです。それ以来、粉飴を使っています。トレーニング前に20グラムくらい飲み、トレーニングの途中でBCAAと粉飴を混ぜて60グラムくらい飲み、トレーニング後に40グラムくらい飲みます。

粉飴を使うようになって、トレーニングのレベルが高くなりました。エネルギー切れしないんです。

減量における糖質の役割についてはどうお考えですか。

夜はジムが混むし、なるべく短時間で終わらせたくて、僕は早朝5時くらいからトレーニングを始めます。寝起きでエネルギーがないので補給が必要なのですが、固形物を食べると激しいトレーニングで吐き気がしてしまい、うまく集中できません。他社のマルトデキストリンを使ったこともあるのですが、どうも腹に馴染まず、消化が悪いような感じがしました。

それで、マルトデキストリンは合わないと思い、はじめのうちは何も食べずにアミノ酸だけでトレーニングしていました。しかし、アミノ酸だけだと20〜30分で身体が疲れてきてしまい、エネルギー切れを感じるんです。アミノ酸をどんどん追加しても、エネルギー切れには勝てませんでした。

また、アミノ酸だけだと、筋肉痛を感じなくなって、身体がどんどん変な方向に流れていく感じがするんです。異化作用というのでしょうか、筋肉が分解されているんだと思います。筋肉を分解させないためにBCAAを飲んでいるのですが、果たして本当に効果が現れているのかわかりませんでした。もちろん取らないよりは取ったほうがいいと思いますが、アミノ酸単体だけではどうしても筋肉が減ってしまいます。筋肉をエネルギーに変えようと、身体が動いているのだと思います。

粉飴を摂りながらトレーニングをすることで、異化作用を極限まで削って、なおかつ筋肉も成長していけるような良い環境になっていきました。効率よく糖質を取ることで、オールアウト、全部の力を出し切るようなトレーニングができるようになってきたんです。そうすると身体も変わってきます。トレーニング後の回復の早さも違いますね。

減量において糖質が重要だということですね。しかし、ダイエットをしながら糖質を取ることに抵抗感をお持ちになる方もいらっしゃると思います。

今、ローカーボや低炭水化物が非常に流行っています。たんぱく質しか取らなかったり、アミノ酸しか取らなかったりしていますが、それはかえって逆効果だと思います。身体の仕上がりも変わってしまうと思います。

また、糖質を取らない減量には一つ落とし穴があります。糖質をカットすると、1〜2週間で体重がどんどん落ちます。それで効果が出たと思ってしまうんです。でも、冷静に考えてみると、水分が排出されて体重が減っただけで、身体は変わっておらず、しぼんでいるだけです。

去年の8月の半ばくらいにボディビルの大会初戦があったのですが、その減量方法を採り、僕も粉飴をやめたことがあったんです。今思えばバカなことをしたものです。今年はローカーボでいこうと思い込んで、どこまで落ちるかやってみたのですが、けっきょく仕上がりませんでした。糖質を抑えてタンパク質ばかり取ったために、筋肉や脂肪が燃えてしまって、フラットな身体、凹凸の少ない身体に仕上がってしまいました。それから糖質カットはやめて、粉飴と米とオートミールを取るようにしました。それで、3週間後の東日本選手権までに絞ることに成功しました。絞れて、なおかつ体重は1キロくらい増えました。体重が増えて脂肪がなくなったんです。

そのとき、改めて糖質の大切さを痛感しました。身体にエネルギーが戻るので脂肪の燃焼も良くなり、脂肪が燃えた分プラス筋肉がついたわけです。破壊した筋肉を修復する作業にも、糖質が必要です。糖質を取ることで、練習にも身が入ったということもあります。糖質を取る前は毎日が苦痛でした。トレーニングも嫌になるし、仕事も嫌になるような状態でした。そこから思い切って勇気を出し、糖質を摂るようにしました。

減量幅が大きいほど、食べるのが怖くなってしまいます。でも、そこで食べるか食べないかで、仕上がりがまったく違ってきます。若い頃は食べなくても無理ができましたが、バキバキに絞った状態はつくることができませんでした。僕の中で、バキバキに絞れたことが過去に2回あります。32歳と去年の44歳のときです。その時期を冷静に見ると、しっかり食べていました。しっかり食べた年はバキバキに絞れているんです。面白いですよね。けっきょく、食べて仕上がるんです。

普段、どのような練習をされていますか。

練習はだいたい1時間半くらいです。典型的なボディビルのメニューで、部位に分けてトレーニングしています。火曜は足、水曜は胸、木曜は背中、土曜は肩、日曜は腕といったスケジュールで1週間で回るようにしています。月曜日と金曜日はオフで、何もしません。オンのときには、ほかに有酸素運動をしたり、ポージングを研究したりしています。

バーベルやダンベル、マシンも使用しますが、私は力がないほうなので、なるべく軽いものでトレーニングするようにしています。昔は重量にこだわって、200キロくらいのバーベルを担いでスクワットをしていました。関節を痛めてしまうので、今は使っても100キロくらいでゆっくりやるようにしています。

減量方法についてお聞かせいただけますか。

減量では、半年でだいたい25キロくらい落とします。オフのときに太ってしまうので、僕は減量幅が多きいほうです。私は元が肥満体型で、食べたいものを食べていると100キロくらいいってしまいます。だから、最初の10キロくらいまでは意外と簡単ですが、その後の10キロでやばくなってきて、最後の5キロは試練です。

減量幅が少なく、年間を通してストイックにキープされる方もいます。今は、オンとオフの差をなくすのが流行っているようです。減量がきつくなりますからね。でも、どうしても僕はそれができなくて、反動で食べてしまうんです。

カーボローディングをやってみたこともあるのですが、バッチリ合えば仕上がるのですが、僕はことごく失敗してしまいました。塩分や水の出し入れは身体に負担がかかります。それでたどり着いた結論が、「カーボローディングしない」です。鏡でいつも自分の状態を見ているわけです。その状態をキープして、そのまま糖質だけ増やしてやる。塩分もずっと控えめできているので、塩分を抜くこともしません。今は、そのままの調子で糖質だけ前日に上げるという方法にしています。その方法にしてからほとんど外さなくなりました。

ボディビルをやっていて良かったことは何ですか。

子どもが生まれたときはボディビルをやめていたので、「おまえのお父さんはデブだ」と言われていました。ボディビルを再開して身体が締まって、子どもの友だちが「すごい筋肉!」と言ってくれたのが嬉しかったですね。やっていて良かったと思いました。これでデブなお父さんの子だと言われないですんだなと(笑)。

ボディビルダーは見てもらえるのが幸せです。見て褒めてもらうのが一番好きです。そのために鍛えていますから(笑)。

ボディビルの競技を通して仲間の方々との交流はありますか。

仲間の影響はすごく大きいです。大会で会う友達や、Facebookで繋がったりしています。朝起きて、「今日はだるいな、今日は寝ちゃおうかな」と思う日もあり、毎日楽しくトレーニングしているわけでもなく、疲れているときもあります。とくに飲んだ翌日はだめですね(笑)。でも仲間がいるおかげで、「ぜったいみんな練習している」と思えますし、思い切ってトレーニングをすることができるんです。

今後の目標をお聞かせください。

今年の目標は、8月のミスター東京ボディビル選手権大会と10月の全日本選手権です。僕の夢は全日本の予選通過なんです。全日本は非常にレベルの高い大会です。今、ボディビルのレベルがものすごく上がっています。みんなバリバリに絞れているのに大きいんです。年齢的にも若手がどんどん出てきています。どこまでついていけるかわかりませんが、しっかりトレーニングしてやるしかありません。

また、将来60歳、70歳になってもやっていけるよう、ケガなく、老後もしっかり動けるくらいの体力を維持したいですね。生涯スポーツとして、楽しくボディビルを続けていきたいと思います。

生稲さんのお話で、改めて糖質の大切さを気づかせていただきました。これからのご活躍に期待しています。

インタビュー:ボディビル鈴木 宏子 様

医療従事者として自分が元気で健康になるためにボディビルに挑戦。 病院では女性が元気になるための情報を発信し続けています。

2018年
9月   日本社会人選手権大会
8月   東日本選手権
7月   ジャパンオープン
2016年
11月  第17回東日本ボディビル・女子フィジーク選手権大会 158㎝超級・オーバーオールで優勝
9月   第24回日本女子チャレンジカップフィジーク選手権大会 優勝
日本社会人選手権大会 優勝

ボディビルとの出会いを教えていただけますか。

私がボディビルに出会ったのは、仕事、睡眠、トレーニング時間、すべてが不規則な生活を送っていた頃でした。医療従事者という仕事柄夜勤があり、夜勤明けの生活リズムの崩れがとにかくひどかったんです。日頃、患者様に『笑顔で元気に過ごしてほしい』という思いで関わらせていただいていましたが、自分が疲れた顔で腰痛に悩まされながら仕事をしていました。現実では、夜勤明けは毎回ストレスから食い倒れていました。睡眠を取らない不規則生活は一番応えます。代謝も徐々に落ちて身体が重くなり、体調も乱れやすくなっていました。健康診断の結果も、中性脂肪とコレステロール値がどんどん上がっていました。医療従事者としてこれはだめだろうと(笑)。
介護福祉士として定年まで働く以上、自分自身を元気にしなければ、仕事も元気に続けることができません。自分の職として選んだ以上、その中で健康を維持していきたいと思い、40歳を機にフリーウェイトを始めました。最初は自己流でしたが、フリーウェイトをやることで、筋肉がダイレクトに刺激されるようになります。簡単に痩せることはできませんでしたが、身体のラインが変わってくるのは自分でもよくわかりました。そのすっきり感が面白くなって、トレーニング回数も増えていきました。
その後、この運動を継続して続けられるスポーツは何かと探していたとき、たまたま見たのが、当時全日本で優勝した今村直子さんのポスターだったんです。この歳でも自分の腹筋を見ることができるのかなと、ボディビルに挑戦してみたくなりました。ポスターで見た日本一の女性のような身体になりたい。それで初めて減量を試みました。

減量へはどのように取り組まれたのでしょうか。

初めての減量はやり方がわからず、食べないダイエットでした。ネットでいろいろ調べて、ケトン体ダイエット、糖質ゼロダイエットでいこうと思ったんです。どれくらい絞っていいのかわからず、まずは筋肉が見えるまで体重を落としてみようと、果糖から何から糖質はすべて抜きました。
「筋肉を元気にしながら減量するためには、糖質を取る」 雑誌にはそう書いてあったのですが、私は夜勤明けになると一気に代謝が落ちるので、糖質を取ることがすごく恐怖でした。脳が疲れているので、一口ご飯を食べると止まらなくなってしまうんです。睡眠を取らないことで脳からの成長ホルモンが出ない状態になり、そこで糖質を取ると、睡眠不足を補おうとして、脳みそが糖質一杯になる最大限まで血糖値を上げようとする。血糖値を上げればインスリンが出て下がり、すぐにまた空腹になる。半日以上食べっぱなしなんてことが、平気でできてしまいます。
それで、夜勤明けは糖質を一切取りませんでした。糖質を取らないとやっぱりへたってしまうので、最後は気力だけです。初めて挑戦した大会は、なんというか、身体がすごくフラットでした。筋肉自体に元気がないから、ノーマルに見えてしまうんです。8キロくらい体重を落としたので、細くはなったのですが、爪楊枝のような感じで凹凸感が見えませんでした。

減量には糖質も必要だったということですね。糖質制限をされてみて、体調における課題はありましたか。

オフは何でもありで炭水化物もしっかり食べますが、減量に入ったときの糖質の取り方が大きな課題でした。今は6分割ですが、以前は4〜5分割でトレーニングをしていました。夜勤前でも午前中にトレーニングをして、午後から仕事に入り、睡眠を取らずに帰り、また少しトレーニングをする。そこまでやりながら筋肉に栄養を入れることができないと、疲労ばかりが溜まってしまう。そうなるとよけいに減量が進まず、夜勤明けにはむくんでしまう。栄養の入れ方がわからずに悪戦苦闘して、いまいち絞りきれず、思うような結果も出てきませんでした。
私が減量に入るのは1月中旬くらいで、世の中の風邪が絶好調な頃です。職場にはインフルエンザやノロウィルスの患者様が多く来られます。夜勤前にトレーニングすると、筋肉が疲労することで免疫がガクッと落ちてしまいます。免疫が落ちた状態で様々なウイルスが多い環境に入るわけです。
私は、一見身体が大きくがっちりしているし、体力もあるし、風邪なんてひかなそうに思われるのですが、実は人一倍弱いんです。そんな弱い自分が見せられなくて、マスクを2重、3重にして仕事をしていました。何を食べたらいいんだろう。どうやったら根本的に免疫を上げられるんだろう。それも大きな課題でした。

粉飴はどのようにお知りになったのですか。使ってみていかがでしたか。

去年の秋、栄養について悩んでいるとき、小島さんに「勇気を出して、しっかりトレーニングができるように、トレーニング中に粉飴を入れたらいいのではないか」というアドバイスをいただきました。トレーニング中に糖質を入れると、脂肪には回らずにエネルギーに回ります。実際にBCAAと一緒に粉飴を取ってみたら、元気感が出ました。トレーニングをしっかり最後までやりきることができて、トレーニングの質自体が上がるのを体感することができました。疲労した筋肉を早く回復させるため、トレーニング直後に飲むプロテインにも勇気を出して粉飴を入れてみました。すると、翌日に体重が落ち始めるようになったんです。これは面白いと思いました。
それでも、今も夜勤明けには代謝にブレーキがかかります。普通のボディビルダーの方が3〜4ヵ月で減量するところ、私は6ヵ月くらいかけてやっと人並みくらいです。

糖質を取ることで体重が落ちるというメカニズムは面白いですね。糖質を取り始めて、他にも変化はありましたか。

粉飴によって、糖質を入れることに対する考え方が変わりました。普段の食事でも減量中でも、玄米などGI値の低い食材を少しずつ取るようになりました。トレーニング中にきちんと糖質を入れること、それによって元気になり代謝が上がるので、通常の食事でもきちんとご飯が取れるんです。
地味な減量幅ですが、今年はすごく元気です。減量を始めた、免疫が落ちた、風邪をひいた、停滞する、という流れが今年はありません。まったく風邪をひきません。そうするとトレーニングが思うようにできます。これは面白いですよね。ただ、それが最終的に今年の大会結果にどう繋がるかは、まだわかりませんが。

今は糖質制限ダイエットが主流ですが、糖質制限ダイエットは、最終的に生理を止めてしまうこともあります。女性ホルモンのバランスを崩してしまいますし、ボディビルの観点から言うと、肌つやを悪くしてしまいます。ボディビル競技ではなく普通のダイエットとして捉えても、キレイというよりおばあさん的な痩せ方になってしまいます。やはり、元気にきちんと食べる、糖質を取ることが大事だと思います。

鈴木さんのお仕事柄、周りの方にアドバイスされることも多いと思います。

私はクラブ活動を立ち上げて、体操教室をやっています。病院の中であれば部署を問わず誰でも参加できる体操教室を、月に1度開いています。食事はどういうものを取ったらいいのか、腰回り・お尻周りをどうやって小さくしたらいいのか、家でできる簡単な体操など、そんなことをお伝えしています。地味な活動なのですが、情報発信することで、実行する・しないは別として、皆さんの中に関心は少しずつ育ってきました。気がついたら、ハーフマラソンやフルマラソンに挑戦する方も出てきています。
そういった情報交換を病院の中でできるように目指しています。女性が元気にいきいきと働くために、まずは自分自身が発信源になれるといいですね。

今年のシーズンの目標などお聞かせください。

2016年、日本社会人ボディビル・フィットネス連盟の「日本社会人選手権大会」、「第24回日本女子チャレンジカップフィジーク選手権大会」にダブルエントリーし、どちらも優勝することができました。その後、「第17回東日本ボディビル・女子フィジーク選手権大会」の158㎝超級とオーバーオールで優勝させていただきました。
2017年は手を酷使しすぎて手根管症候群という病気になってしまい、その手術をしたので、勇気を出して1年お休みしました。
今年はどこまで復活できるかですね。目標としては、日本選手権に向けて頑張ろうと思っています。7月は石川県金沢で開催されるジャパンオープン、8月には東日本選手権にもう一度挑戦したいです。一度タイトルは取っているのですが、メンバーも変わりますし、層もより厚くなります。なんとか元気よく、このままいきたいですね。

鈴木さんの「健康に減量する」というお話は、多くの女性の関心事だと思います。ありがとうございました。

インタビュー:ボディビル岡田 隆 様

日本体育大学 体育学部 准教授

日本体育大学 体育学部 准教授。1980年生まれ。日本体育大学大学院体育科学研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。理学療法士。日本体育協会公認アスレティックトレーナー。日本オリンピック委員会強化スタッフ(柔道)。ボディビルダーとしても活躍しており、2014年の東京オープンボディビル選手権大会70kg級で初出場、初優勝。また2016年には、日本社会人ボディビル選手権大会において体重無差別カテゴリーで優勝している。

アスリートの体づくりに不可欠な糖質を粉飴で補う

ボディビルにおける最短効率のトレーニングをスポーツに取り入れる

岡田先生はボディビルで輝かしい経歴をお持ちですが、いつ頃から始められたのですか。

始めたのが遅くて、ボディビルの大会に初めて出場したのは2014年のことです。
ある学生がボディビルの大会に出たいという夢を持って、僕が教えている大学に入学してきました。僕自身、柔道選手だったので、補強のためのトレーニングは高校生の頃からずっと続けてきましたが、ボディビルはやっていなかったんです。トレーニングについては教えられても、ボディビルで勝つための指導は難しいと思い、自分も実際にやってみようと考えました。
彼と一緒に研究しながらボディビルのトレーニングと指導を行っているうちに、気がついたらボディビルダーになっていました(笑)。トレーニング歴としては22年くらいだと思いますが、ボディビルダーとしては3年くらいですね。

柔道の補強としてのトレーニングとボディビルのトレーニングは、やはり別物なのですか。

違いますね。細かい違いはたくさんありますが、それを一般の方にお話ししても伝わりづらいでしょう。ただ、ボディビルというのは、肉体づくりに特化した競技なので、柔道に生かせる要素は非常にたくさんあります。ここは、これまで柔道やそのほかのスポーツが取り入れてこなかった部分、つまり不勉強だった部分です。
ボディビルダーは体づくりのスペシャリストですから、そのトレーニングには最短効率のものが詰まっています。体をつくるために無駄なものを徹底的に排除しないと勝てない競技なので、とにかく無駄なものを排除していき、いいものがより良い形で残っている状態をつくります。そういうボディビルの要素をほかのスポーツにもうまく取り入れていくことで、結果が出せるようになると考えています。

糖質を活用することのアドバンテージ

アスリートに糖質が必要だということは一般にあまり知られていないような印象がありますが、岡田先生が指導されているスポーツの現場ではいかがですか。

僕が今、教えている日本体育大学(日体大)の学生たちもそうだと思います。糖質はスポーツ選手の体づくりに役立つどころか、むしろマイナスだと思っている学生も少なくありません。たぶん、「糖質制限ダイエット」が世間に出すぎた影響でしょう。あの方法にはいい部分もたくさんあるのですが、マイナスの情報が独り歩きしてしまって、糖質がまるで悪者みたいになっていますよね。
たとえば、僕がコンビニでおにぎりを買っていると、「え? おにぎりを食べるんですか?」と驚かれます。糖質について間違った知識を持っている学生が多いわけです。
なので、糖質は元気にスポーツをするためのガソリンであり、ガソリンを使い切った後にはガソリンを再注入して筋肉に元気を入れないといけないということを、柔道の日本チームには徹底して教えました。その成果は、昨年のリオオリンピックでの日本男子柔道、全階級メダル獲得という井上康生監督の偉業の一つの要因となっていれば嬉しいですね。

岡田先生はリオオリンピックで柔道と水球の日本代表チームを指導されました。初出場で金メダルを獲得した男子柔道90kg級のベイカー茉秋選手も、ボディビルのトレーニングを取り入れたと伺いました。

彼が成功したのは、間違いなくそのおかげだと思います。何と言っても、ボディビルジムの名門サンプレイの会員として、日本屈指のボディビル指導者である宮畑豊会長から指導を受けているからです。90kg級というのは、典型的なボディビルダーのような異常な筋量を有した選手が多く、日本人が勝つのは難しいといわれている階級でした。かなり過酷なウエイトトレーニング+栄養学的なアプローチがうまくいかなかったら体が壊れてしまう可能性もありますから、結果が出て本当に良かったと思いますね。
水球の日本代表もアジアチャンピオンになって、32年ぶりにオリンピックに出場しました。トレーニングや食事改革を受け入れて、トレーニングと食事、さらに水中練習の時間をうまくコントロールしてくれました。成果に少しでも貢献できていれば嬉しく思います。
やはり、運動と栄養というのは両輪であって、トレーニングを100点やっても栄養が60点だったら、60点しか出ないと思うんです。やはり、トレーニング100点、栄養100点を目指して積み上げていくからこそ、100点のパフォーマンスができるわけです。
体づくりをシリアスに取り組む子たちは糖質を活用することのアドバンテージをよく知っています。でも、まだまだ不勉強だったり意識が高くなかったりする学生も多いので、トップの選手たちが結果を出していくことで、糖質の重要性や正しい知識が広まっていけばいいなと思っています。
日体大でも御社にサポートしていただいている部には、粉飴の入った段ボールが大量に積まれていますから、ほかの先生や学生たちが「これ何?」ってよく聞いてくるんですよ(笑)。僕が「これいいですよ」なんて言うと「ちょっともらっていい?」となって、粉飴がだんだん広まりつつあります。やはり、ボディビルや柔道の学生たちが使っていて結果を出しているのを見たら、ほかの子も使いたくなりますからね。最近ではカヌー部などにも広がっています。

糖質はむやみに避けるのではなく、大いに活用すべき

栄養学的なアプローチとしては、どのような説明をされているのですか。

人間の筋肉というのは車でいえばエンジンです。エンジンを動かすためにはガソリンが必要で、ガソリンになるのは三大栄養素の炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質しかありません。
今、「ケトジェニックダイエット」という、炭水化物を完璧にゼロにするダイエットが流行っています。脂質だけをガソリンにして動くというやり方で、この方法でもダイエットは可能ですが、人間の体は炭水化物と脂質をガソリンにしやすい性質を持っているので、両方をうまく使っていくのがベストだと思います。
スポーツをするには元気に動けなければいけませんし、食べて胃もたれを起こさないような食事のほうがいいわけです。その意味でも、炭水化物を避けるのではなく、大いに活用してほしいと思います。

ジョギングやフィットネス、ダイエットを含めて、スポーツに取り組む方が増えています。一般の方も、もっとこういう栄養のことを考えたほうがいいですよね。

人間である以上、栄養に気を使わなくていい人なんていないと思いますよ。粉飴を必要としない一般の方もいるとは思いますが、運動する方であれば間違いなく必要です。
ご飯や麺など炭水化物の摂取が多くて太っている人なら、先ほどの糖質制限ダイエットがハマると思いますが、日頃からバランスよく食べていれば、無理な糖質制限をしなくても痩せられます。
三大栄養素に要らないものなんてないはずですし、人間はいろいろなものを食べてきた歴史があって進化してきたわけです。それなのに糖質だけほとんどカットしてしまったら、短期間では効果が出ても、長い目で見たらリバウンドしやすくなるのではないでしょうか。
元気にスポーツをするためには、適切にガソリンを入れて使い切り、そして回復させることが基本です。そして、そのときに「どれくらい回復させるのか」を調整することが重要です。練習を100%やれないような栄養しか摂れていないとしたら、絶対にパフォーマンスは上がりません。

競技やトレーニングの内容によっても違うとは思いますが、パフォーマンスを上げるうえで、どれくらい糖質を摂ればいいのか、目安のようなものはありますか。

きちんとしたデータがないので、安易に目安を挙げることは控えたいと思います。運動の質・量や体質などによっても個人差があるでしょうし、1日単位で考えるべきなのか、もう少し短いスパンで考えるべきなのか、長期的な影響はないか、はっきりしたことはあまりわからないのが実情です。
ただ、摂る量の目安がわからなくて困っている方には、とにかく「体感すること」をお勧めします。たとえば、2時間の練習の中で、後半の30~45分のときに今までより元気にできているかどうか。まず、こういうことを考えてみてはどうでしょうか。
いきなりたくさん摂るのではなく、自分の状態を体感しながら、だんだん量を増やしていって、いいポイントを見つけるわけです。いっぱい飲んだからといって、100点が200点になるわけではありません。ガソリン補給にも上限はありますから。

トレーニングの質を高めるための栄養補給

良いトレーニングを行うためにも、まずは栄養補給のあり方を考える必要があるわけですね。

ガソリンとなる糖質の補給として、練習や試合の前に白米をたくさん食べるのは確かにいいのですが、激しい練習の後は食事を摂りにくくなります。僕自身、練習が終わった後にプロテインをいっぱい飲んでいたときは、ご飯が食べられなくなりました。知らず知らずのうちにご飯からのエネルギー摂取を減らしてしまうと、体づくりやパフォーマンスによくない影響を招いてしまいます。
また、トレーニングが終わると筋肉は太くなろうとします。言ってみれば、トレーニングというのは、その状態をつくるための手段のようなものなんですね。このとき筋肉を増やすために必要となるのがタンパク質です。
タンパク質は筋肉をつくりますので、そのタンパク質のもとになるアミノ酸を摂らないといけません。今はプロテインという形で摂ることが多いのですが、その吸収効率を上げるためにはインスリンというホルモンの作用が役立ちます。このインスリンを分泌させるうえで炭水化物(糖質)の摂取がとても有効なのです。
つまり、筋肉をつくるためのタンパク質を再注入するだけでなく、それにプラスしてインスリンの分泌をねらって、炭水化物(糖質)も積極的に摂っていくわけです。
一般の方はインスリンが分泌しすぎると糖尿病につながりますが、インスリンは酷使された筋肉に速やかに作用するため、スポーツ選手の場合、体のほかの部分にインスリンが過度に回って問題が起きるという心配はあまりありません。むしろそこは、糖質を味方につけてインスリンを利用してやる、という考え方をしたいところですね。

トレーニングの質を保つために大事なポイントはありますか。

選手自身もクオリティの高い動きができる準備を常にしておくべきで、トレーニング中の栄養補給についても考える必要があると思います。
柔道の場合、1日の稽古は2時間くらいですが、1時間はかなり良い質の動きができたとしても、残りの1時間は疲れて5割くらいの動きしかできないとしたら、稽古時間の半分はその中途半端な動きを覚える時間になってしまいます。稽古をただこなすことに意義を感じる人もいますが、むしろマイナスになる可能性もあるので、だったら帰って寝たほうがいいです。それに気づいていない人も多いですが、無駄になるだけですから。
逆に100%に近い動きを2時間まるまるできれば、ほかの人の2倍の稽古になるじゃないですか。それを1年続けたら大きな差になりますよね。
スポーツにおいては技術が非常に重要で、技術を習得するためには、長い時間、良い質の動きを続ける必要があります。1回2時間の稽古であれば、その時間をどれだけ使い切れているか、つまり最後まで集中できていることが本当に大事なんです。
やはり、「やらされる練習」じゃだめなんですね。毎日2時間一緒に稽古していても人によって伸び方に違いがあるのは、才能以上に「そこでちゃんとできているかどうか」の違いだと思います。
特に長い練習が必要な競技の場合、途中でどうしても集中力が落ちますから、随時、栄養補給として糖質を摂るのは、いい動きを保ち続けるためにも大切なことです。

栄養補給については、トレーニング前、トレーニング中、トレーニング後の3ポイントをきっちり押さえる必要があるということですね。

トレーニング前であれば、エネルギー源の炭水化物(糖質)として白米を摂ればいいと思います。ただし、トレーニング中やトレーニング後になると、消化吸収に使う血液が筋肉に回ってしまうので、固形のものを食べても消化吸収がうまくできません。
スポーツ選手にとって炭水化物はとても必要な栄養素ですが、ご飯、そば、パスタ、パンなどを練習中に食べるのはなかなか難しいものです。食べ物が胃に入るとお腹が痛くなったりすることさえあります。なので、摂り方の工夫が大事なポイントになってくるかと思います。
その点でも、粉飴のように水に溶いて飲めるものは使いやすくていいですね。練習中に少しずつ手軽に飲めるというのは粉飴の大きなアドバンテージだと思います。

リーズナブルでおいしくて元気になる。どんどん広めていきたい粉飴

粉飴はここ1年ほど、ボディビルダーの方々にかなり使っていただいています。女性のボディビル大会に伺ったところ、「粉飴を飲むと集中が切れない」ということをおっしゃってくださる選手がとても多くて驚きました。

そうなんです。セットが終わって休むときに、元気いっぱいだったら「よっしゃ、次すぐ行こう!」となりますが、粉飴を摂っていなかったら「もうちょっと休もう」となるかもしれません。自分でも気づかないうちに5~6%くらい集中力が落ちていて、気がつかないほどのちょっとした妥協が生まれたりする。そうやって知らず知らずのうちに練習の質を下げている可能性もあるわけです。
ここを詰めていく作業が選手にとっては非常に大事になります。こういう小さな差を埋めていく作業を毎日毎日積み上げていけるかどうか。それが競技での勝敗の境目になるように思います。
筋肉をものすごく使ったからといってすぐに筋肉がつくわけではないし、質の高い練習をしたからといってすぐにうまくなるわけでもない。栄養学的なアプローチというのは、1回で差が出るものではありません。でも、これを半年、1年と続けていけば、その分の上積みができることは確かです。だからこそ1回1回の練習を無駄にしたらだめなんです。

選手が粉飴を飲んだ後、明らかな変化を感じることはありますか。

すぐにわかりますよ、元気が出ますから(笑)。甘くてうまいから、一気に元気が出るのではないでしょうか。激しい練習をすればするほど、飲んだ効果を実感できます。
いろいろな摂り方があって、割ってチビチビ飲んでもいいし、疲れてきたところで一気に飲むのもありだと思います。サプリメントは効果の体感があまりないことが多いものですが、粉飴はいわばメシですからね。メシを食べたら元気になるでしょ? それと同じ効果が出ているのだと思います。

ほかの固形物に比べても、粉飴は吸収のスピードがまったく違います。また、非組み換え遺伝子の証明書や、残留農薬検査の結果も出しています。そういう意味では、ある程度の安全性も担保されているといえるのではないかと思います。

サプリメントに抵抗のある人は、商品の品質を気にする人が多いですね。肉を食べるのとサプリメントでタンパク質を摂るのとでは、栄養学的には大して変わらないのですが、サプリメントに使われる保存料が気になるようです。
そういう点で、今のお話はプラス要素になると思います。
それから、粉飴は値段がリーズナブルですよね。サプリメントや食事を極めようとすると、とにかくお金がかかるんです。特に学生アスリートの場合、お金をかけられないことでパフォーマンスが制限されているケースも多いので、こういう商品は本当に大事だなと思います。
粉飴の存在を知っている人は、その良さをよくわかっています。飲んだら本当に元気が出ますからね(笑)。ただ、日体大でも知らない学生が多いということは、世の中のほとんどの人は知らないということでしょうから、正しい栄養学の知識とともに、どんどん広めていかなければならないと思います。
正しい栄養補給によって「練習の質」が下がるのを食い止めることができれば、日本のスポーツ界はものすごいことになるはずです。これからは、もっともっとさまざまなスポーツシーンで粉飴を見られるようになるのではないでしょうか。

インタビュー:ボディビル小島 正裕 様

日本社会人ボディビル・フィットネス連盟
本田染工ボディビルクラブ

社会人ボディビルマスターズ(40歳)大会優勝、千葉大会優勝、東日本ボディビル マスターズ(50歳)大会優勝等の記録を持つ小島正裕さんは、主なトレーニングはほぼ自宅で行いながら、ボディビルもフィジークも行う万能型のビルダーです。

主な参加大会

2017年 関東クラス別大会 75kg超級
関東大会男子一般 マスターズ50
日本社会人大会男子一般 マスターズ50
日本クラシック大会 175cm超級
東日本大会 75kg超級

糖分(マルトデキストリン)は、以前から摂取されていたのですか?

以前は、サプリメントはほとんどアメリカから個人輸入していました。ボディビルダーであれば、糖分は必要な栄養素であることはみんな知っていますので、プロテインに溶かしたり、ジュースに混ぜたりして、それぞれが工夫して糖分を摂っていました。

小島様はどのように工夫されていたのですか?

私は、「プロテインアイス」を自分で作っていました。プロテインにカーボ(糖分)パウダーをまぜてアイスクリームにします。手軽に摂ることができますし、食べやすくなります。今は、カーボパウダーには「粉飴」を使っていますが、これがめちゃくちゃおいしいです。
毎日のトレーニングでは、「もうすぐアイスクリームが食べられる!」とアイスクリームをモチベーションにして頑張っています。(笑)

ボディビルはどのようなきっかけで始められたのですか?

私の兄も姉もスポーツマンでしたが、私は何もやっていませんでしたので、25歳のときにスポーツジムに通い始めました。28歳でボディビルを始めて、29歳のときに「自分でも大会に出られるのではないか」と思い、大会を見に行くつもりが、大会に出場することになってしまいました。初めて大会に出場したのですが、県大会の体重別で2位に入賞してしまいました。(笑)
これならと思って次も出場したのですが、あえなく予選落ちしました。このときは本当に悔しくて、このときの予選落ちの悔しさがバネになって、それからずっと20年以上続けています。

何が失敗の原因だったのでしょうか?

極端な減量が失敗の原因でした。栄養のバランスや摂り方など、まったく分かっていなかったのでしょうね。それからは先輩やコーチなどから勉強させていただきました。

最近、糖質ダイエットが流行っていて、糖質を摂らない方が増えていると思いますが、どう思われますか?

糖質を摂らないのはよくないですね。第一、身体が動かなくなります。そしてスタミナもなくなります。トレーニング後、部活後にプロテインだけ飲んでいる学生がいますが、私だったらコンビニのお握りを勧めます。そのほうが、エネルギー補給としてもよっぽどいい。また、女性の方にも糖質を摂りたがらない人がいます。基本はちゃんと食べることですが、時間の無い時はマルトデキストリン入りのプロテインを勧めたいです。

小島さんの栄養補給について教えてください。

私のトレーニング場所は自宅なので、今は週6程度トレーニングしています。食事は週に一度、日曜日にお腹いっぱい、目一杯食べます。これは減量中も同じです。タンパク質、脂肪、糖分、なんでも摂ります。そうすることで体が反応し、代謝が良くなります。
大会が始まるシーズンになると、大会用の体に絞るわけですが、このときも栄養とエネルギーのバランスを考えて絞らなければなりません。

やはり、糖分は必要ですね。

必要です。粉飴のような、マルトデキストリンの粉末は、自分流にアレンジできるのがいいですね。
好きな味のジュースでもいいし、ゼリー状にしてもいい、私のようにアイスクリームにすることもできます。私のアイスは本当においしいですから。(笑)
サプリメントを自分でデザインすることで、辛いトレーニングも楽しくなります。

インタビュー:東京ボディビル・フィットネス連盟 理事長宮畑 豊 様

トレーニングセンター・サンプレイ会長
東京学芸大学講師
江戸川大学総合福祉専門学校講師
東京YMCA社会体育専門学校講師

1941年、鹿児島県奄美大島生まれの75歳ながらいまだ現役で、数々の役職と名トレーナーをになう日本のボディビル、フィットネス業界の第一人者。
中学・高校で柔道の県大会で優勝するも、19才の時、脊髄分離症で1年間の寝たきり生活を経験。「自分で何とかするしかない」と決意し、ボディビルに取り組みます。それからは、全日本ボディビルコンテストをはじめ、国内外の数々の大会で、輝かしい記録を打ち立てます。
その後指導者となってから、さらに活躍の場は広がり、トップアスリートから、健康目的のトレーニングまで、その幅は驚くほど広い。現在は、トレーニングセンター「サンプレイ」を主宰。約1000名を超える会員が日々トレーニングを行い、その会員の中には、ボディビル大会の入賞者も数多く、宮畑理論への信望は厚い。

健康志向の高まり、競技カテゴリーの増加によって、ボディビル、フィジークの競技人口が増加。

近年ボディビルは、健康志向の高まりもあり、ボディビル、クラシック、フィジークなど、競技種目が増え、競技人口やたしなむ人たちも非常に増えています。
その立役者の一人として数えられるのが、宮畑豊会長。そして、この状況をさらに盛り上げようと、東京ボディビル・フィットネス連盟が50周年を迎えるにあたって、再度理事長としての職を引き受けられました。
あの長渕 剛さんをトレーニングされたことでも有名です。現在でも、専門のボディビルに加えて、全国屈指の高校野球の強豪校、オリンピック柔道のメダリスト、ほかにも相撲、柔道、ラグビー、レスリング、空手、ボクシングなど、実に様々な競技種目のトレーニングにたずさわっています。
今でも全国各地を飛び回り、トップアスリートのトレーニング指導を行っていますが、その指導で徹底されているのは、それぞれの競技、一人ひとりにあったトレーニングを提供していること。体幹や下半身を鍛えることの重要性は共通しているものの、一人ひとりの競技特性、個性にあったトレーニングを提供しています。
「同じ野球でも、投手もいれば野手もいる、下半身が弱い人も、力のある人もいる。一人ひとりすべて違いますから、それぞれの人に合ったトレーニングを教えています」
と、個人個人に対応することが必要だと説きます。

現在、トレーニングセンター・サンプレイでは、約1000人の方が、トレーニングをされています。オリンピックに出るようなトップアスリートだけではなく、一般のサラリーマンや主婦、学生の基礎的なトレーニングや高齢者の健康管理、さらに病気や怪我のリハビリテーションの方々までさまざまな方がサンプレイを訪れ、トレーニングをされています。
まさに、あらゆる人たちのニーズに応えるトレーニングを提供されており、これも、宮畑会長の「それぞれの人に合ったトレーニング」という考えそのものの結果なのでしょう。

糖分は非常に重要。エネルギーを補給するから元気が出る!

サプリメントに関しても造詣が深く、
「昔は、アメリカから輸入して高価なサプリメントを購入したものです。ほとんどがタンパク質でしたから、私は常日頃から黒糖を摂りなさいと教え、糖分の重要性を説明、指導してきました」
と宮畑会長は当時のことを語ります。黒糖を与えてきたと語るように、昔から糖分の重要性に気づき、タンパク質だけではなく、糖分もバランスよく摂るように指導されてきました。

「ボディビルをやる人たちは、どうしても、太りやすいというイメージがあるのか、糖分を摂りたがりません。しかし、エネルギーとして糖分を摂ることで元気な状態になるし、実際に、調子がいい、と言う選手もいました。今は、こういう粉飴のような商品がありますから、水に溶かして飲むことで、トレーニング中にも摂取することができます。糖分を効果的に摂取することで、トレーニング効果にも影響あります」
糖分を摂ることは、トレーニングには欠かせないようです。

そして、ボディビルに限らず、ラグビーのような非常に激しいスポーツでも、糖分をバランスよく摂ることは重要なことだと語ります。
「他の競技でも、たとえばラグビーのようなスポーツは、非常に大きなエネルギーを使います。そういうパワー、持久力、俊敏性、さまざまな要素が必要なラグビーのようなスポーツでは、特に糖分は重要です。エネルギー源になってくれます」
と語ります。

トレーニングのすべてを知り尽くした宮畑会長。元気になりたい、健康になりたい、怪我をしたくない、あらゆるニーズに応えるトレーニングを提供すると同時に、バランスのとれた栄養摂取は、何を置いても大切なことだと語ります。
「何事もバランスよく行うことが大事です。怪我をしにくい身体をつくるためにも、糖分も含めた栄養摂取には気を付けなければなりません」